Wi-Fiと5Gはどちらもインターネットに接続することができますが、この2つは役割が違います。Wi-Fiは家庭内や会社内などの一部の範囲に無線LAN(ローカルエリアネットワーク)を構築するための規格(ルール)であり、5Gは通信キャリアが提供している全国規模の通信ネットワークの名前です。
「5G」という流行語の影に隠れてしまったかのような「Wi-Fi」ですが、現在は第6世代(Wi-Fi 6)まで進化しており、その活躍の場は今も広がっています。特にPicoCELAなどの製品が使っているメッシュWi-Fi技術は、Wi-Fiの弱点である「通信範囲の狭さ」や「Wi-Fiエリアの固定化」を解消できるため、活躍の機会が増え続けています。
Wi-Fi | 5G |
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規格名 無線LAN(ローカルエリアネットワーク)の統一規格。広義ではこの規格を満たしているネットワークのこと。 | 固有名詞 通信キャリアが提供する次世代の通信ネットワークのこと。現世代は4G。 |
「規格名」とは、例えば鉛筆の濃さを表す「HB」のようなもの(これはJIS規格で定められています)。数ある鉛筆会社はHBという規格に合わせて鉛筆を作りますよね。Wi-Fiも同じようなもので、様々な会社が、Wi-Fiの規格に沿ったネットワークを構築する機器(Wi-Fiルータ等)を製造しています。そしてパソコンやスマホは、Wi-Fi規格に準拠したネットワークに接続できるように作られています。
広義では、Wi-Fi規格に対応したローカルエリアネットワークのことを「Wi-Fi」と呼ぶこともあります。「我が家のWi-Fiにつなぐ」といった文脈で使われますので、一般の方にはこちらの広義の使い方の方が馴染みが深いかもしれません。
では、Wi-Fiの無線LANネットワークと、5Gのネットワークの違いは何でしょうか。
Wi-Fiはその場(ローカル)に無線のネットワーク網を作り出し、複数の通信端末(スマホ等)を接続させることができます。Wi-Fiの先に光回線などのインターネットをつないでおけば、Wi-Fiにつながった通信端末は全てインターネットにも接続できるようになります。
一方、5Gは1つ1つの通信機器(スマホ等)との通信契約が必要ですが、一度契約すれば全国に数ある基地局が発する電波を使うことができるため、自宅でも外出先でもそのネットワークを使うことができます。ただし現状ではWi-Fiよりも費用が高いため、家庭内や職場内ではスマホをWi-Fi接続に切り替えて使う人も少なくありません。
Wi-Fiと5Gのネットワークの違いをまとめると、以下のようになります。
Wi-Fiの無線LAN | 5G | |
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ネットワークエリアの発生源 | Wi-Fiルータなど | 全国にある通信キャリアの基地局 |
ネットワークエリアの範囲 | 近い距離のみ | ほぼ全国網(基地局のエリア外に出ても、隣の基地局をシームレスに使える) |
インターネットまでの道のり | スマホ等 ↓ Wi-Fiの無線LAN ↓ Wi-Fiルータ ↓ プロバイダの光回線等(要契約) ↓ インターネット | スマホ等 ↓ 5G電波(要契約) ↓ 通信キャリアの基地局 ↓ インターネット |
メリット | 費用が安い。 多数の通信端末(スマホ等)で同時に使える。 | 移動時に使える。 |
デメリット | エリア範囲が狭く、エリアを簡単には移動できない。 | 費用が高い。 通信端末(スマホ等)ごとに契約が必要。 ネットワークにつながらない(基地局がない)地域もある。 |
現在は、駅やショッピングモール、遊園地などの大衆施設でも、フリーWi-Fiを設置するところが増えてきています。そのため、4G/5Gだけに頼らなくても、外出先でスマホをインターネットに接続できるようになりました。
PicoCELAのメッシュWi-Fiは、Wi-Fiの「デメリット」を解消することができるため、そのような屋内外の施設でのWi-Fiネットワーク構築のために活用されています。
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