これまでに公園、オフィス、建築現場、桟橋におけるネットワーク構築の事例をお伝えしておりますが、今回は12ヘクタールもある広大なブドウ畑での事例をお伝えしたいと思います。
日本国内における農業の最大の課題は高齢化と後継者不足です。つまり、(1) 農作業にかかる負担を減らすことと、(2) 経験の浅い人でも作業できるようにすることが求められています。
(1) 作業者の負担を減らすためには、次のようなシステムが考えられます。
- 作業者の安全管理システム
- 転倒や熱中症の防止などができる
- 作物の監視システム
- 現場に足を運ぶ負担を減らすことができる
- 盗難や害獣から作物を守ることができる
- 人間が見るには難しい場所(作物の根元など)を楽に確認できる
- 夜間や不在時でも動かすことができる
- 農薬散布や草刈りロボットなど
- 作業の負担を減らし、スピードアップできる
(2) 経験の浅い人への支援には、次のようなシステムが考えられます。
- 作物の判定システム
- 経験が浅い人でも画像や数値で判断できる
- 教育システム
- 蓄積したデータを使い、効率的に学習できる
上記のような施策は「スマート農業」や「農業テック」と呼ばれ、近年とても注目されています。トレボー株式会社様はスマート農業のために、ワイナリーに併設する広大なブドウ畑での無線LANネットワーク環境の構築を求めていました。
当ブドウ畑では夏の気温が30度を越え、冬には氷点下を下回るような厳しい気温変動があります。また、12ヘクタールと広大で、農地であるためケーブル配線が難しい環境です。そのような難しい環境に高品質かつリーズナブルにネットワークを構築できる手段として、PicoCELAのメッシュWi-Fiアクセスポイント「PCWL-0410(屋外用)」が選ばれました。12ヘクタールものブドウ畑にたった5台のメッシュWi-Fiアクセスポイントとソーラー蓄電池などを組み合わせて、ブドウ畑の通信基盤を作ることができたのです。
「Wi-Fiメッシュ」の「メッシュ」とは「網の目」のこと。親機のWi-Fiルーターと子機のWi-Fiルーターを3台以上組み合わせ、網の目状にネットワークを張り巡らせたものを「メッシュWi-Fi」と言います。メッシュWi-Fiではインターネット回線に「メインルーター」と呼ばれる親機のWi-Fiルーターを接続し、そこから「サテライトルーター」と呼ばれる子機のWi-Fiルーターを中継するネットワーク網を構成させます。サテライトルーターは電源さえあればどこにでもいくつでも設置できますし、サテライトルーターの数が多いエリアほど電波が強くなりますので、誰でも簡単に好みのネットワークエリアを作ることができるのです。
PicoCELAのメッシュWi-Fiアクセスポイントには「PicoCELA Backhaul Engine (PBE)」という特許取得の無線メッシュ技術が用いられています。
PicoCELAに興味がある方は、ぜひ以下をご覧ください。